(2)渓秋・初夏の道南渓々を釣る

山釣りのベストシ−ズン到来、怪我の癒えない釣兄・T氏に無理に連れ出して、午前5時既に陽の高い札幌を発ち一気に300kmを南下、松前に到着此処から北上しつつ、2泊3日のキャンプ釣行 今回も新しい渓々で大イワナとの出会いが楽しみだ。



第1日目

松前・妻内川

 入口はこんな小さな渓たが
 いきなり岩陰から 31.0cmが飛び出す

 小一時間ほどで魚止めの滝となるが、かってこの滝上流で大イワナを仕留めた楽しい渓だ。しかし、今回は隣りの赤神川が狙いなので
下流の尺イワナを確認して納竿。





松前・赤神川(239番目の新渓)

 こんな護岸の小川でと不安がよぎる。遡行開始するも間もなく、四輪駆動車が藪を漕いで止めてあるではないか、残念・先行者が有るようだが1.5km先の大ダムまででもと遡行を開始。
 途中での古い取水提にてイワナは中型のみだが
 ヤマベは良型が釣れる、今晩は天麩羅が楽しみだ
 下界との分岐点・昔上流に鉱山が有った頃からの古い大ダム。

 ダム下で中型のイワナと遊んで、さてダム上を偵察と高巻きにかかると件の先行者が下って来た。
 下って来た先行者は多摩から四駆動車で道内の渓を釣り歩くと云う、65歳と70歳の健脚老人コンビ。
 まるで仙人のようで、敬服・脱帽・・・・あやかりたい。
 仙人の釣果は36cmが最長とか。
 次回の期待を秘める上流部。



上ノ国・夷王山キャンプ場にて

 山頂のシ−ズン外れのキャンプは静かで嬉しい。

 キャンパ−は我等とと三河の軽ボンゴのカップルと長野のライダ−青年のみ

 今夜は山釣り料理で楽しもう。

 沢蕗入りイワナ味噌汁とイワナ・ヤマベの塩振り焼き
 ヤマベと舞茸の天麩羅........舌の上でとろけて絶品
 オ−ルドボ−イスカウトのT氏は飯盒と味噌汁を監視しつつ、揚げ立ての天麩羅と博多小女郎でご機嫌
 渓秋は早速得意の寿司職人スタイルだ。
 今夜はゲストにヤマベとイワナの豪華版の握り寿司だ
 長野のライダ−青年T氏とキャンプ談義は尽きない




第二日目

 昨夜は夜半よりの強風雨にテントも潰れて、雨中の4時起きなり冷めたイワナ汁を温めて、残り飯を掻き込み熊石を目指し出発。



熊石・冷水川・中の沢(240番目の新渓)

 上流の小さな滝の為か中小型が多い
 下流は大御影石の溜まりから中型がホツポツと魚影が薄い



熊石・冷水川中滝の沢(241番目の新渓)

 好ポイントが連続する楽しい渓だ、28cm級が入れ喰いだ
 尺をちょっと切るサイズの入れ食い、この4匹で十分だ
 滑床と御影石の連続する素晴らしい渓、次回の源流が楽しみだ
 釣兄T氏の御説によると羆の食痕なり(熊棚)、頃合いと見て納竿



熊石・相沼内川

 初めて此の渓来た時は驚いたものだ、此の枯れ沢が1kmも続く(砂利の下に伏流水有り)

 今回は此処に延々と四輪駆動車の進入跡あり、そんなに楽して釣りたいかなぁ-

 山釣りとは足で釣るものと心得たり。
 広い河原のブッツケで、尺物の連続だ
 精かんな大イワナ
 雪代増水時のダム湖からの遡上ヤマベか
 ずっしりと重い尺イワナの釣果、本日はこれで十分だ



島牧・茂津田海岸温泉に投宿

 今日は一日雨中の釣行。雨カッパを通してズフ濡れだ。今夜も降り続きそうでとてもキャンプは無理だ。かって庭先に図々しくもテントを張らしてもらった鄙びた温泉も、今は若主人の代で瀟洒なプチホテル風に建替えられた。

 温泉と地魚の料理とお酒で一日疲れを取りとり、狩場山系の情報を貰い早々に就寝



第三日目

 濃い霧の立ちこめる夜明けだ、4時半に旅館を出る。今日は午前中で切り上げ予定だ。深追いはすまい渓々の様子を見るだけで十分だ。



島牧・オコツナイ川(242番目の新渓)

 海岸から見上げ巨岩が覆い被さる険しい渓だ。かって渓秋が唯一退散した

 熊石の平田内川の源流を思いおこす渓だ。何故か手製の「ヤス」が放置されている。

 (写真の左の巨岩下に立て掛けてある)遡上の大アメマス狙いか。

 小さな露天風呂で沼津からドライブの初老の御夫婦と渓流釣り談義・好漁で御満悦。

 エゾスカシユリとエゾカンゾウが咲き乱れる渓
 此の難攻不落と思える険しい渓にニジマスが、何故こんな処に、怒りを覚える。




島牧・木巻川

 濃い霧の立ちこめる小いさな急流

 海岸から続く荒場が大物のでるポイントだが
 荒場の上流は、赤い腹の居着きイワナの入れ喰いだ



島牧・小田西川

 狩場山系の名流・小田西川。源流への入渓は断崖・崩落・巨岩の連続で命賭けだ。

 標高1520mから流程8kmを一気に下る急流は大イワナの楽園だ。今回は雨で増水の最下流の大ダム下で遡上大アメマスを狙うも中型のみ。

 魚道の無い大ダム、ここ数年の間に数基が構築
水温11℃源流には雪渓が残る、渓明けが遅い
 中型の遡上アメマス



黒松内・コビチャナイ川(243番目の新渓)

 島牧の山塊が切れる裾野に広がる丘陵の緑の中をゆったりと長く延びる渓だ。


 途中の林道から入渓すると、浅いチャラ瀬の続くやさしい渓だ。水量によっては大物も期待出来そうだ。タケノコ・沢蕗の豊富な遡行の楽な美しい渓だ。
 中型のイワナが多い渓だ
 ヤマベを一匹、ウグイも数匹、小渓で水温が高い



初夏の2泊3日の渓を巡って

 山椒の大木。北海道でも自生してるのか.....赤神川にて
 美味しい薬用酒になるマタタビの花・葉....相沼内川にて

 コベチャナイ川の林道を真っ黄色に染る野草。いよいよ夏本番だ。



 ゴミ、空き缶、ヤス、ニジマス、四輪駆動車。欠け替え無い自然何故汚すのか?


 山釣りの出会いは何時も楽しい、多摩の仙人・沼津の御夫婦・温泉ご主人と女将

 長野の好青年・そして楽しませてくれた渓魚たちに感謝。




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